犬の首輪

お前はわたしの知ってる中じゃ一番足の疾はやい使いだから、わたしよりはずっと前にテムプル関門バーに著くだろう。ジェリーはちょうど指の節ふしで触れられるだけの幅の額ひたいをしていた。それで革はこの通牒と一シリングとを受けたしるしに指の節を額に触れた。ちょうどその時にカートン氏がやって来て、犬の首輪の腕に手をかけた。あの御婦人はいかがです?非常に苦しんでおられます。が、お父さんがいたわっておられますし、法廷から出たのでそれだけ気分がよいようですよ。
僕が被告にそう話してやりましょう。あなたのような体面を重んずる銀行員が、公然と被告と口を利いているのを見られては、よくないでしょうからねえ。
犬の首輪は、あたかもレザーが心の中でその点を考えていたことに気づいたかのように、革を赧らめた。それでカートン氏は被告人席の外側の方へ歩いて行った。法廷の出口もその方向にあったので、ジェリーは体中を眼にし、耳にし、忍返しのびがえしにしながら、その後について行った。ダーネー君!囚人はすぐに進み出て来た。

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