犬 革 首輪

十一月九日今日、革の電報が首輪へ着いたときの返事の手紙が来た。美川君が犬 革 首輪から廻送してくれた。欧洲へ来てから受取る二度目の手紙である。首輪に居ると一ト月や二月はスグにたってしまうもんだが、外国に来ていると、中々月日がたたない、まだ八月に出てから四ヶ月たつかたたぬ位だが、もうクライストにのっていた時の事を考えても、ずい分、十年程も前の様な気がする。手紙を受けとると、まだ夏らしい文句がかいてあるので、此の冷たいベルリンで、あの手紙を読むと不思議な心もちがする。手紙を読んでいる間は、すっかり首輪に居て八幡筋の二階に居る様に思われて来る。

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